- 著者
- ユタニ
- 画
- くまのみ鮭
- 内容
- 著者コメント
高い山々が見える場所で、ゆっくり自分を取り戻す可愛いヒロインを書こう、と書きました。
ヒーローは、もう少しカッコいい予定だったのですが、全然カッコよくならなかった。
第一王子に突然婚約破棄された侯爵令嬢のシェラサール、愛称シーラ。
その理由は、公務の怠慢、使用人への虐待、男爵令嬢への嫌がらせなど、どれも身に覚えのないことばかりだった。
さらには、粗野で野蛮で女好きだと有名なディラン・サッハルト辺境伯と結婚しろと言われたが、シーラは動じない。
なぜなら……久しぶりの自由だから!
第一王子の婚約者として毎日勉強や政務に追われてきたシーラは、王都を出られるだけで嬉しくてたまらなかったのだ。
辺境伯に到着し花嫁衣装で挨拶したシーラを、結婚相手のディランは酷く嘲った。どうやらシーラは罪人だと伝えられていたらしい。
シーラの話を聞くこともなく、使用人としてなら置いてやると嘲ったディランを、シーラは一瞬で嫌いになったのだった――。
とんだ屈辱だが王都に帰るのも嫌なシーラは、使用人として働くことになる。
すぐに音を上げるだろうと踏んでいたディランだったが、毎日楽しそうに使用人の仕事をこなすシーラを見て、何かおかしいと気づき始め……。