清廉なる巫女は、竜の欲望の贄となる

著者
 おうぎまちこ
  くにみつ

内容

国家鎮守の神社の継承である巫女・神楽には、使命がある。
けれど、幼いころに出会った「初恋の君」がいつか迎えに来てくれると信じて生きてきていた。
そうして、迎えが来ぬまま18歳になる成人の日を迎え、神の化身たる「竜」の贄となり身体を捧げるという使命を果たすことになってしまった。 美青年の姿をした「竜」に身体を暴かれ、三日三晩の初夜の儀式どころか、毎日身体を求められ、時間を問わず淫らな儀式が続いた。 高圧的で独善的な彼に対し、当初は反発を覚えていた神楽だが、本来の「竜」は寡黙で優しい人物だということを知っていく中で、次第に心惹かれていく。 さらに「竜」の言動からもしかすると「初恋の君」ではないかと思っていた矢先、「初恋の君」だという青年が現れる……。
愛する女性のために「人」であることを捨て、神の化身たる「竜」になった青年と、その贄である巫女の物語。


著者コメント

本作品はR18処女作、「あきたこまち」名義の作品です。1年以上前のWEB投稿作品だったので、フルリメイクに近い勢いで修正しています。改稿していたら、創作って楽しいなという気持ちを思い出しました。
本作は、神社を舞台の和風ファンタジー、平安、巫女、竜、神、番、幼い頃の約束、溺愛・執着、異能、記憶の混乱、兄弟の葛藤、家族愛……作者の大好きな要素を詰め込んだ作品です。 処女作以来、「愛するヒロインのために、自身の命も人生も名前も全て捨てる……自己犠牲ヒーロー(竜属性)」ばかり書いていますが、藤紫様もその一人。 神楽がつけた名前通り、テーマは「藤の花」。