- 著者
- 広兼 怜
- 画
- 光永 司
- 内容
- 著者コメント
愛するネコ三匹に邪魔をされながら、のんびりと小説を書いています。この作品は、自分で書きながら泣いてしまった部分もあって、思い入れのある作品となっています。暫く天体観測をするなど、自分が星の観察にはまってしまいました。
名家である東條家に生まれた誠司は、代々継がれて来た会社の専務で、仕事もできる男。 誰もが羨む地位にいるが、「妾の子」として義母から蔑まれて育っていく中で、ある感情が芽生える。 ――人は信用しない。
東條の心に頑なにあるもの。どれだけ良い暮らしをしていても、それだけは揺るがない。
そんなある雨の夜、女を拾った。
女の名前は菊池花。極貧でホームレス状態だった彼女を看病する姿は、今までの東條からは想像できないものだった。
さらに、あることがきっかけで「住み込みの家政婦」として花を迎えることに――。
花は、東條に忘れていた人としての「何か」を思い出させてくれた。
形は違えど似たような境遇で育ち、知らず知らずのうちに惹かれ合っていく二人。
しかし、住む世界が違い過ぎる二人に、残酷な決断の時が……。
『星降る夜のやさしい時間(1)』には「最初」~「近づく距離」(前半)までを収録